CFBより、MOでのドラフトリーグ導入に関する記事です。元記事(http://www.channelfireball.com/articles/the-trouble-with-draft-leagues/)もぜひ。

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 今はドラフトの決勝戦で、青白を駆る対戦相手は後攻の5ターン目をただ土地を置くだけで終了した。相手は先の2ターンも、クリーチャーをプレイしていない。ここで、ピックを思い返してみる──自分の2つ下家に座っていた相手は、何を持っているだろうか。3パック目では開封した罪人への急襲を下に流している。赤黒をやっていたからだ。月銀の一撃も同じく。それに、嵐乗りの精霊が遅くまでぐるぐる回っていた。というわけで、決断する。このターンは血統の呼び出しをプレイし、能力を起動してマウアー地所の双子をマッドネスできるだけのマナを立ててエンドするに留める。ハンドの炎刃の天使は温存するとしよう。相手の急襲は2-2交換に終わり、相手のボムを躱したことで勝利はぐっと近づくことになる。

 でも、言うまでもなく、卓を超えてのランダムペアリングが行われているなら話は別だ。相手のドラフトについて何のヒントもない状態で、神話レアを考慮しながら動くような真似ができるものだろうか? 相手はどんなカードだって持ってる可能性があるというのに! ランダムペアリングのドラフトは、従来のドラフトと全く違う成り立ちを持ち、全く異なるものをプレイヤーに要求する。そして、このペアリング方法は、出来る限り避けるべきだ。

・パックの強さの問題
 ドラフトのテーブルに着いたとき、目標とするのは卓内で一番強いデッキを組み上げることだ。卓内で、というところがポイントになる。というのもドラフト最大の美徳は、その卓に出回るカードのパワーレベルを気にする必要がほとんどない、という点にあるからだ。卓の全員が同じボートに乗り込んでいるわけで、ごく少ないファーストピックやボムレアを除けばパックの強い弱いは問題にならない。しかしランダムペアリングでは、パックの内容によってあっさりと勝敗が決まってしまうようなことも起こりうる。

 ミラディンの傷跡ブロックのドラフトを例に取ってみよう。新たなるファイレクシアのトップコモンは電位の負荷と不気味な苦悩だが、この2枚はソートが隣り合っている。つまり、片方が入っているパックにはもう片方も含まれている可能性がかなり高いのだ。この2枚が含まれたパックを4つ開封した卓と、1つも開封しなかった卓ではパワーレベルの平均に大きな差が生じてしまう。そしてこれらの卓の間でペアリングが成されるのは、アンラッキーな卓に座っていた人々にとっては甚だ不公平というものだろう。

・ヘイトドラフトの問題
 また、ランダムペアリングのもとではヘイトドラフトの被害も大きくなる。隣のプレイヤーが積極的にヘイトを仕掛けてきているというシチュエーションを思い浮かべてみよう。こういう場合、お互いのデッキが弱くなってしまうのが常だ──隣のプレイヤーは自分のデッキに入らないカードに手番を費やしているのだから。従来のドラフトでは、少なくとも3/7程度の確率で隣のプレイヤーの弱いデッキとペアリングされるという希望を持つことができる。しかしランダムペアリングでは相手になりうるプレイヤーの数はそれこそ無数で、隣のプレイヤーとたまたまペアリングされる可能性はもっともっと低い。

・キューブドラフトの問題
 ランダムペアリングの孕む問題は、キューブドラフトを考慮するとより大きくなる。キューブはシングルトンフォーマットだから、対戦相手が持っていそうなカードを予測するための情報量は普通のドラフトよりも多い。"目くらまし"をピックしたかい? それならたぶん、ハンド1枚でタップアウトしている対戦相手に全力の墓所のタイタンを叩きつけてオーケーだ。遅い順目で欠片の双子が流れているのを見ているなら、やっかい児をコントロールしている青赤相手には、流刑への道を構え続けるのが正解だろうな。

 こういうプレイができるのがキューブドラフトの良さであり、プレイヤーに相手を負かしてやったという満足感を与えてくれる要素でもある。そして、従来のキューブではヘイトドラフトの価値も他のドラフトより高い。デッキはより尖った構成になり、ヘイトカードの価値も相対的に高まるからだ。しかしランダムペアリングになれば丸い構成の多色デッキが増え、コーの火歩きや銀騎士のようなカードを見かけることは減るだろうし、たとえ使われていたとしても、従来のような制圧力はもはやないだろう。

・練習の問題
 またランダムペアリングでは、もっとも重要というわけではないが上のレベルを目指すのには不可欠なドラフトスキルを向上させるためにはまったく役に立たない。もはや開封したパックのパワーレベルの問題や、ヘイトドラフト、流したカードの記憶などの問題からは簡単に目をそらすことができる。しかし、プロツアーやGPの2日めのドラフトといったステージでは得られる限りの情報が必要で、普段からできる限りそれに近い状況で練習していれば、より良い結果を出せるだろう。遅い順目で流したコンバットトリックを誰が持っていそうか推測するにはスキルが必要で、そういう能力はそうするだけの動機が普段のドラフトからあれば自然に伸びていくものだが、ランダムペアリングはその機会を奪っているのだ。

・結論
 ランダムペアリングはドラフトするにはよくないというのが結論だ。パックの引き運による差を拡げ、相手のデッキを推測することで得られる達成感を失くし、ランダムペアリングが用いられないような高いレベルでのドラフトを練習するための役に立たない。しかしこれはもちろん、単なる僕個人の意見だ。きみはどう思う? ランダムペアリングのメリットは、デメリットを上回っているのだろうか?

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 以上です。同じCFBにドラフトリーグを歓迎する記事も出ていますので、そちらも訳してみようと思います。

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