CFBより。元記事(http://www.channelfireball.com/articles/breaking-eldrazi/)を参照しながらお読みください。
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 このPTの準備をCFB及びFtFGの面々と協力してやれたのは幸運だった。我々はPT
一週間前にバンクーバーで合流し、ノンストップでモダンやドラフトの練習を始めた。
 モダンでは、メンバーの一人一人が二つデッキを選び、それに注力した。私はアドストームとバーンを選んだ。あの便利な2枚コンボの消滅によって青が梯子から落っこちていたので、アドストームは良い選択に思えた──しかし親和と感染に相性が悪く、"難題の予見者"の存在でエルドラージにも不利だった。バーンはバーンで良いデッキなのだが、なにしろ高速コンボと親和がガンで、BG系がサイドから投入してくるであろう"部族養い"や"ファイレクシアの非生"のようなカードに弱いのも難点だった。

・エルドラージ発見

 チームで色々なタイプのエルドラージデッキを試してみた:"未練ある魂"を投入した白黒型はイマイチで、昇華者をフィーチャーした黒単型もさほど良くなかった。そこで登場したのが"エルドラージのミミック"、"作り変えるもの"、"果てしなきもの"をフル投入した歪んだアグロというアイディアで、最初これは"古きものの活性"入りの黒緑で試されたのだが、ジェイコブ・ウィルソンが"猿人の指導霊"と"虚空の杯"を採用した無色バージョンを提案した。初めは、デッキに8枚投入されている"古えの墳墓"を引けなければイマイチなデッキに思えた。しかし、デッキが確かな地力を有していてバーンと感染に対して有利だということに気づくまでに、長くはかからなかった。

・カードチョイス
4 エルドラージのミミック
4 作り変えるもの
4 難題の予見者
4 現実を砕くもの
4 果てしなきもの
4 猿人の指導霊
4 虚空の杯
4 四肢切断
4 ウギンの目
4 エルドラージの寺院
16 他の土地
4 x ???


 4枚の空きスロットをどうするかはPT前夜まで謎のままで、そこに入るであろう"漸増爆弾"、"呪文滑り"、"忘却蒔き"の枚数についてみんなが納得する意見は出なかった。結局爆弾と滑りを2枚ずつ入れることになった。忘却蒔きが真価を発揮するのは、"大祖始の遺産"がボードにうまく定着した時だけだ。爆弾と滑りはそれぞれ活躍するマッチアップとそうでないマッチアップがある。こいつらは明らかにデッキ最弱のカードたちだが、まあしょうがなかった。

・ボツ案


次元の歪曲

 2マナ払って+3/-3というのは重いし、"タルモゴイフ"や"難題の予見者"といったクリーチャーに当たらない。ピン除去は4枚の"四肢切断"で十分だった。

歪める嘆き

 多芸なんだが、メインに入れるほどではない。サイドカードとしては、サイドアウトせざるを得ない役立たずのカードに代わって多くのマッチアップで投入できる優秀なカードだ。

・マナベース

 必須パーツでほとんど埋まってしまうので、マナベースを構築するのは簡単だった。"ちらつき蛾の生息地"はベストなミシュランだ──回避能力を持っていて、ブロックする時は2/2になり、"変わり谷"をパンプできる。"変わり谷"も同じくらい強いのだが、枠がなくて4枚フル投入できなかった。私は25枚めの土地を入れたくてたまらなかったのだが、チームメイトの誰も同意してくれなかった。
 4枚の"幽霊街"は絶対に必要だった。トロンは我々の仮想敵の最大勢力の一つで、トロンに対しクリーチャーを展開できさえすれば、"幽霊街"1枚でゲームが終わってしまう。
 環境に"幽霊街"が溢れかえっているため、2枚の荒地を採ることに決めた。5マナ6マナが多く含まれるデッキでは、マナベースに基本土地が含まれることは重要だ。また、荒地なしでは"血染めの月"の影響下で12枚ものクリーチャーがプレイできなくなってしまう。

・ボツ案


宝石の洞窟

 1ターン目から3マナ出せるというのは魅力的だし、初手になくてもこのデッキならそれほどがっかりすることもない。けれど、特に色マナがほしいわけでもないこのデッキには無用の長物だった。

地盤の際

 個人的にはあまり好きではなかったが、ジェイコブ・ウィルソンが推していた。私としてはゲームの初期段階で勝敗が決まるのが理想で、ミシュランのほうが安定して戦力になってくれた。

海門の残骸

 4マナで1枚引くというのはいささか遅く、このデッキには不要だった。

魂の洞窟

 たまくつは、我々が"希望を溺れさせるもの"や"塵の中を忍び寄るもの"入りの有色バージョンをテストしていたときにはメイン投入されていた。しかし、無色バージョンに至って特にこれをプレイする理由がなくなった。現状、打ち消し呪文はほとんど見かけないからだ。

 こうして最終的なリストが完成し、そのリストはPTOGWでイカれた勝率をあげ、トップ8に3人、トップ50に10人以上を送り込んだ。

Lands 24
2 荒れ地
4 エルドラージの寺院
4 ウギンの目
4 ちらつき蛾の生息地
3 変わり谷
3 ヨーグモスの墳墓、アーボーグ
4 幽霊街

Creatures 26
4 エルドラージのミミック
4 作り変えるもの
4 難題の予見者
4 現実を砕くもの
4 果てしなきもの
4 猿人の指導霊
2 呪文滑り

Spells 10
4 虚空の杯
4 四肢切断
2 漸増爆弾

Sideboard
1 漸増爆弾
1 呪文滑り
3 忘却蒔き
4 大祖始の遺産
3 はらわた撃ち
2 真髄の針
1 歪める嘆き

 さて、このデッキは親戚の青赤エルドラージよりも強いのだろうか?

1)青赤エルドラージは無色タイプに対して有利だ。"希望を溺れさせるもの"はこのマッチアップでは最高のクリーチャーで、"空中生成エルドラージ"はほぼ2対1交換を取っていく。大会3日目、ジェイチェン・タオはそれを証明した──トップ8に進んだ我がチームメイト、75枚そっくり同じデッキを共有した中村、LSV、イヴァンの3人を倒すことによって。

2)青赤エルドラージは無色よりも親和に対して分が悪い。"虚空の杯"や"漸増爆弾"はサイドからだし、"ちらつき蛾"もない。加えて、無色が採用している"猿人の指導霊"は親和と速さ比べすることを可能にしている。これも3日目に証明された。無色は親和を2度負かしたが、青赤はパトリック・ディックマンの親和相手に瞬く間に0-3したのだ。

3)"希望を溺れさせるもの"のような重いカードが入っていないので、コンボデッキに対しては無色の方が強い。1ターン目"虚空の杯"X=1はバーンや感染、そして1マナキャントリップを大量投入したデッキを機能不全に陥らせる。"変わり谷"の存在でクロックも速い。

4)ミッドレンジに対しては、対処不能に近い"希望を溺れさせるもの"の存在で青赤のほうが有利だ。末裔トークンのおかげで、"ウギンの目"が回り出すのも速い。

5)プロツアーでは、グランプリと違って誰がどんなデッキをプレイしているのか知るのは容易い。これによって"虚空の杯"をX=0で置くかそれとも1ターン待ってX=1で置くかといった判断に迷うことが少なくなり、親和との相性がより良くなる。

 とまあ、ここまで見てきてもどちらが強いのかは判らない。プロツアーという舞台においては無色のほうが優れていたと自負しているが、もっと大規模なトーナメントでは事情が異なるかもしれない。

 サイドボードガイドは今週末までにはお届けできると思うが、こんなマッチアップではどうする、なんて質問があったら気軽にコメントしてくれ!
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 以上です。CFB信者としてはかなり楽しいPTでした。メモの字を見間違えて幽霊街起動してしまって負けた中村さんとか、LSVのトップはらわた撃ちとか、LSVのトップリアリティスマッシャーとか、コンバットで難題の予見者を守るために四肢切断を撃ったのになぜかコンバット終了時に難題の予見者を墓地に置くLSVとか見れましたし。多様性? なんのこったよ(すっとぼけ)。

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