CFBより。ぜひ元記事(http://www.channelfireball.com/articles/the-diary-of-a-pro-player-limited-prep/)も読んでみてください。
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 新しい環境のことをあれこれ予想してみるっていうのは、それで他のプレイヤーの一歩先を行ける可能性があるってことを抜きにしても、スリリングなものだ。はたして自分の考えは正しいのか、それともとんでもない間違いを犯しているのか。それは実際にプレイしてみるまで解らない。

 私の所属するリミテッドチームでは、新しい環境を理解するために幾つかのステップを踏む。プレリリースの前に全てのカードをカテゴリー別に順位付けし、何回かドラフトをこなしてからそれを修正する。そして、プロツアーの前に最終的な順位表を仕上げる。Alex Majlatonがこういう方法論のほとんどを考えだし、精確なデータを収集するためのウェブサイトを立ち上げた。そしてこれまで、そのウェブサイトは得難い情報源になっている。

 こういう事前準備のおかげで、カード評価に明確なビジョンを持ってプレリリースやドラフトに臨むことができる。そしてプロツアーが近づくにつれ実際のプレイの経験も増し、カードの評価が変わってきた。どこが変わっていったか、我々ほど時間を費やしていないプレイヤーが何を過大評価しているか、古いランキングとの比較はそれらを把握するための助けになってくれる。

・第一印象

 実戦経験まったくゼロの状態で、私の色ごとの評価はこうだった↓
 白>黒>青>緑>赤

 白と黒はプール全体のパワーが高く、特に軽くて使いやすい除去(闇の掌握や鑽火の輝き)と4マナ域の確定除去が存在するという点が見過ごせない。

 青も、個人的には高評価のカードが多いのだが、壊れとまで言えるものはない。竜巻の種父、水脈の乱動、目潰しドローンの3枚がベストカードたちだと思うが、白や黒にある2マナの除去がない。それに、色が目指す方向性というものが見えづらい──アグレッシブなカードあり、テンポを取るカードあり、タッパーあり、耕作ドローンというランプ要員までありという具合だ。

 BFZ単品の時に比べ、緑は強くなっている。忍び寄りドローンと末裔招きという、2枚の飛び抜けて優秀なコモンがあるからだ。注意して欲しいのが、小型セットを2つ使うドラフトでは思った以上に同じコモンが重なるということだ。ニッサの裁きと種子の守護者は素晴らしいアンコモンだ──もっとプレイしてみないとわからないが、緑と青の順位は逆なのかもしれない。

 赤は明らかに最弱の色だ。コジレックの大口と三種類の除去を別にすれば、赤は直線的に攻めることしかできない。誤解しないで欲しいが、制止エルドラージやザダの猛士といった優秀なカードも赤には存在している。ただ、それらのカードはビートダウン戦略にしか貢献しないのだ。赤のカードでは、初めは食い荒らす炎が最高評価だったが、レアリティを鑑みて巨岩投下に変更した。怒涛を達成するのも、思ったより簡単だった。
 
・レアの扱い


 保護者、リンヴァーラ
 ゲトの裏切り者、カリタス
 炎呼び、チャンドラ
 ゼンディカーの代弁者、ニッサ


 上に挙げた4つの神話レアは明らかにトップレアだ。しかし、それに続く11枚の神話やレアたちはゲームをぶっ壊すほど強くはなく、この環境はボムレアゲーの恐怖とは無縁でいられそうだ。何がレアのトップ15枚に名を連ねるかはまだ不透明だが、森の代言者と巨人の陥落の間で揺れているような状況だから、運命再編のようにはならないだろう。
 
・プレリリースシールド

 プレリリースには二回参加したが、一回目は全く面白みのないプールをもらってしまった。バントカラーのカードが多く、明確なプランを持って構築できそうなのはUGテンポだけだった。それを本線としたが、いろいろサイドボードも試してみて最終的に4-2した。プールと同じくらい面白みのない結果だ。

 二回目は資産価値的には大勝利だったものの、練習にはあまりならなかった。私が開けたパックからギデオンとニッサが出てきたからだ。しかも現実を砕くものと終末を招くものというオマケ付きだ。言うまでもなくWGを組んだ。白と緑のダブルシンボルに無色マナまで加えてマナベースは少しきつかったが、レアパワーで余裕の4-0。

 予見者のランタンが、シールドでは思ったより強いとわかった──無色マナソースはいつでも歓迎だし、マナ加速も同様だ。盤面が膠着しているとき、占術も役に立つ。
 予想通り、赤いカードはかなり前のめりなデッキ以外では力を発揮できなかった。赤を含んではいても、現実の流出2枚、巨岩投下2枚、コジレックの大口2枚、虚空の接触1枚、轟く雷鳴1枚で計8枚みたいな構成を、赤いデッキと言い張ることはできない。
 
・ドラフト

 これを書いている時点で6回のドラフトをこなした。それぞれ、白黒、白黒、白緑、白黒、赤緑、緑黒、という色の組み合わせが勝っている。白が最強という主張は現時点では間違っていなさそうだが、何しろサンプルがまだ少ない。青は一度も勝っていない。青をドラフトするコツがまだ掴めてないからか、もしくはこれが色の実力なのか。それを知るためにはもう少しドラフトしなければならない。

 一つ学んだのは、盤面が簡単に膠着してしまうということだ。タフネス偏重の生物が多く、確定除去と到達が多いので飛行で突破するのも簡単ではない。珊瑚兜の案内人が、BFZ環境よりも仕事をしてくれそうだ。そう、それから制止エルドラージも環境に合っている。
 
・再考

 最初に挙げた色の強さの順位は大きく変わってはいない。現状は緑のほうが青より強いと思うが、青を使うコツが理解れば再逆転は十分有り得る。何枚かのカードは、はっきりと評価が変化した。

 ・鞍背ラガークを始めとした支援カードを低く見積もっていたが、予想よりも仕事をさせるのが簡単だった。

 ・コジレックの大口は、考えていたよりも強かった。

 ・タールの罠は過大評価されている。コジレックの組み換えはほとんどの地上生物を止め、黒ならマナシンクには困らない。評価アップ。

 ・空の探索者はアグレッシブなデッキ以外では無価値だ──あるドラフトで私は空の探索者を何枚か投入した黒緑欠色をプレイし、緑にアグレッシブなカードが一枚もないことに気づいた。

 ・7マナは重いが、水脈の乱動は膠着した盤面を打開できるカードだ。

 ・オンドゥの戦僧侶は素晴らしい2マナクリーチャーだ。壁に道を阻まれても、毎ターン2点回復してくれるのは思ったより便利だ。

 ・3マナはこの環境のマジックナンバー。このマナ域には生物が多く、かつどれも似た性能をしている。つまり、このマナ域は安く拾える可能性が高い。

 ・同盟者の援軍は盟友や支援と強いシナジーがある。コモン・アンコモンのトップ10に滑り込んでも、個人的には全く驚かないくらいの性能はある。

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 以上です。個人的に、赤の評価がhappymtg(http://www.hareruyamtg.com/article/category/detail/2411)と真っ二つに割れてるのが気になりました。happymtgでははっきりと、「赤が最強」と書かれています。LSVは青が最強で緑が最弱だと言っていますが、これは無色を6つめの(そして単体でかなりのパワーを持つ)色として評価し、無色の取り入れやすさという点も含めての評価であることも考慮しなければいけません。ちなみにLSVは赤を、青と黒に次ぐ三番手くらいに見ています。白は五番手(無色より下)。
 一体、これらの意見で誰が正しいのか、はたまたみんな間違っているのか。リミテッドは構築と違って、簡単に答えが出せません。プロツアーで勝った色がそのまま最強というのでもないですし。そこが面白いんですけどね。というわけで、MOにもOGW実装はよ!

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