OGWが下環境に与える影響をウォッチ By Andrea Mengucci
2016年1月20日 翻訳CFBより。元記事(http://www.channelfireball.com/articles/oath-of-the-gatewatch-in-legacy-vintage-and-modern/)もぜひご一読を。
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・大いなる歪み、コジレック
新コジレックは可能性の塊だ。ドロー能力がキャスト誘発でショーテルやリアニに向かないのは残念だが、MUDでは兄弟分の新ウラモグより採用される機会は多いだろう。相手の行動に直接対応する手段が少ないデッキでこそ、こいつのカウンター能力は生きてくる。
モダンでも居場所を見つけそうだ。ウギンの目からサーチできるエルドラージとして、エルドラージデッキやトロンで──エムラクールの代わりとして──採用されうる。
・作り変えるもの
こっちのエルドラージはより軽くて、アドアドしい。モダンでは3マナ域のエルドラージとして不毛の地の絞殺者と競合するが、エルドラージデッキではカーブを重視して対象なしの絞殺者を2、3ターン目にプレイすることがけっこうあり、そういう使い方をするなら作り変えるもののほうが強いのは明白だ。もちろん、相手の闇の腹心や他の軽量生物を除去る仕事はこなせないから、慎重に検討する必要があるけれどね。
・次元の歪曲
無色の除去ってのは存在そのものが珍しい。MUDは必ずやこれをデッキに──少なくともサイドに──忍ばせることだろう。不倶戴天の敵、デルバーと死儀礼を始末できる素晴らしい札だ。
四肢切断をよく見かけるヴィンテージのワークショップではどうだろうか。4ライフと1マナでは、マナを残すメリットが重視される場合が多いだろうと推測する。銀のゴーレム、カーンやカルドーサの鍛冶場主に当たらないのも痛い。無色マナを要求する関係で、モックスから唱えられないのも減点ポイントだ──無色マナ自体はマナクリプトや太陽の指輪など、供給先はいくらでもあるのだけれど。モダンでは、主要な無色デッキは除去るための色を内蔵しているから、こいつの出番はないだろう。
・難題の予見者
OGWではこいつが一番のお気に入りだ。4マナ4/4というボディは打点の高さと、モダンで飛び交う稲妻、衰微、コラコマという除去全てへの耐性を兼ね備えている。ランプが苦手としてきたコンボに対する回答でもある。
脳蛆のようなカードと違って、奪った札を取り返される危険がないのが素晴らしい。こいつのハンデスはヴェンディリオンのそれに近い。相手がノーハンドの時にこいつをプレイし、それからこいつを処理されるとアドを失うが、それはレアケースだ。ウギンの目やエルドラージの寺院経由で素早くキャストすることもできる。こいつには要注意だ!
・現実を砕くもの
予見者の場合もそうだが、ウギンの目とエルドラージの寺院の存在が、このエルドラージをモダンでプレイアブルにしている──もっともこいつには荒廃を招くものという競合相手がいるが、こいつは打撃力と除去耐性を兼ね備えていて、早めに着地できれば脅威となるのは間違いない。
・エルドラージのミミック
今見たばかりの2枚のファッティ(予見者と、現実を砕くもの)のおかげで、こいつは可能性を持ったカードの仲間入りをすることになった。こんな展開を想像してほしい↓
1ターン目:ウギンの目、ミミックをあるだけ展開
2ターン目:エルドラージの寺院、難題の予見者
3ターン目:土地、現実を砕くもの
これだけで人が死ぬ。
・歪める嘆き
選択肢があるというのはいいことだが、個々の能力はそれほど優れてはいない。MUDのようなデッキが──またこのデッキの話で恐縮だが──レガシーでは唯一これをプレイする可能性があるが、変身したデルバーを始末できないのは大問題だから、結局は次元の歪曲を優先するだろう。
被覆は良いカードだが、MUDにはフィットしない。モダンでは、被覆モードで死せる生、スケシ、パルス、ときには塵への崩壊をカウンターできる。しかし、それだけで採用が正当化されるかはわからない。
・変位エルドラージ
能力にタップがいらないってのは高得点だ。だが3マナも決して安くはない。修復の天使を優先する事が多いだろう。
・圧倒的な否定
こいつはどんなフォーマットでも使われないだろう。カウンター合戦に勝てるカウンターが欲しかったとしても、より良い選択肢として対抗変転がある。そして対抗変転ですら、よく見るカードではない。
・静寂を担うもの
不幸にもこいつは、ウギンの目からもエルドラージの寺院からもサポートを得られない。現状ではプレイアブルではない。
・コジレックの帰還
このカードについては以前詳しく書いた(訳注 http://www.channelfireball.com/articles/kozileks-return-in-modern-jund/ 英語)。記事のとおり、ジャンドではメインに差すだろうが、他の多くのデッキにおいては、親和に対するサイドボードという位置になると思う。
ジャンド以外では、赤緑トロンが紅蓮地獄の代わりにメイン採用する可能性がある。古きものの活性に対応していて、ウラモグ、コジレック、エムラクールを唱えればもう一つの効果も使えるからだ。
大祖始の遺産が自分の墓地も掃除してしまうのは残念だが、ジム・デイヴィスのトロン(http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=96439)では遺産はサイドからだ。まずこのデッキの紅蓮地獄を入れ替えてみることから始めてみよう。
・自然のままに
対象が似た自然の要求と競合になるだろう。トロンや感染といった相手のライフが気にならないデッキ、もしくはスケシにとっての神聖の力線のようなどうしても割りたい対象が4マナ以上であるデッキでは自然の要求のほうが優れている。
一方、呪禁オーラのように相手の残ライフが重要なデッキの親和対策サイドボードとしては、自然のままにのほうが優秀といえる。
・ニッサの誓い
以前の記事(訳注 http://www.channelfireball.com/home/the-green-ponder/ 英語)でこのカードがスタンに与えるインパクトの強さを述べたけれど、同じことがモダンで起きる可能性は低い。アブザンカンパニーやキキジキコード、エルフといったクリーチャー重視のデッキが存在するが、そのいずれにも召喚の調べや集合した中隊といった、より優れたオプションがもう存在している。
レガシーの土地単なら使えるかもしれないが、こういうキャントリップの入るスロットはなかなかないだろうね。
・嵐追いの魔道士
モダン、レガシー両方に存在するURデルバーに採用される可能性がある。同じ2マナの選択肢としてヤンパイもあるが、最後の数点を押しこむためにこいつの回避能力がほしい場面もあるだろう。
・風切る泥沼
ジャンドやアブザンのマナ基盤安定に貢献してくれる土地だ。ミシュランとしての性能はサイクル中最低だが。
怒り狂う山峡のようにクロックを刻んでくれるか、乱脈な気孔のように絆魂で攻める時間を稼いでくれるなら良いのだが、風切る泥沼は単なる優秀なブロッカーだ。ブロックのために4マナをオープンにしておかねばならず、相手は稲妻やコラコマのようなインスタント除去を構えられないときは、ただ単に殴ってこないだけだ。もちろん、アブザンに対してや、4マナ残しつつ攻めることが難しくなくなるロングゲームにおいては優秀な働きをしてくれるが、モダンはそう頻繁にフラッドするフォーマットではない。
・さまよう噴気孔
ジェスカイやグリクシスコンは色が合うミシュランを求め続けてきたが、残念ながらこいつはコストが重い上に天界の列柱や忍び寄るタール坑より弱く、何かを変えてくれることはないだろう。
・海門の残骸
レガシーのMUDやヴィンテージのワークショップのような無色中心かつハンド消費が激しいデッキが、一枚刺しすることは考えられる。モダンでは、ハンドを使いきるようなデッキが3つ思いつく:ランタンコン、バーン、それから親和だ。元からマナベースに無色を含むランタンコンでは、自然に採用できるだろう。一方バーンでは(ダメランを除けば)無色マナの調達が困難で、親和ではマナの調達は簡単だが、ネクサスで殴るよりこちらにマナを回している余裕がなそうではある。
・鏡の池
スペル扱いできる土地はいつだって素晴らしいが、タップインという点は素晴らしくない。起動コストは安いが、能力そのものはエターナル級とは言えない。
・現実の流出
バーンは、コーの火歩きとブレンタンの炉の世話人に対する新しい回答を得た。常々、バーンのサイドに流刑への道を積むのは嫌だと思っていたから、これは朗報だ。タルモを処理できないのはマイナスだが、流刑にしてもそもそもタルモを処理するために準備した札というわけじゃない。こいつは有力なサイドの選択肢になる。
・結論
OGWによって一番強化されるアーキタイプはやはり、無色系だろう。
無色への警戒を怠るな──幽霊街と地盤の際の準備をしておくように!
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以上です。レア以下の方が注目株が多いですね、今回
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・大いなる歪み、コジレック
新コジレックは可能性の塊だ。ドロー能力がキャスト誘発でショーテルやリアニに向かないのは残念だが、MUDでは兄弟分の新ウラモグより採用される機会は多いだろう。相手の行動に直接対応する手段が少ないデッキでこそ、こいつのカウンター能力は生きてくる。
モダンでも居場所を見つけそうだ。ウギンの目からサーチできるエルドラージとして、エルドラージデッキやトロンで──エムラクールの代わりとして──採用されうる。
・作り変えるもの
こっちのエルドラージはより軽くて、アドアドしい。モダンでは3マナ域のエルドラージとして不毛の地の絞殺者と競合するが、エルドラージデッキではカーブを重視して対象なしの絞殺者を2、3ターン目にプレイすることがけっこうあり、そういう使い方をするなら作り変えるもののほうが強いのは明白だ。もちろん、相手の闇の腹心や他の軽量生物を除去る仕事はこなせないから、慎重に検討する必要があるけれどね。
・次元の歪曲
無色の除去ってのは存在そのものが珍しい。MUDは必ずやこれをデッキに──少なくともサイドに──忍ばせることだろう。不倶戴天の敵、デルバーと死儀礼を始末できる素晴らしい札だ。
四肢切断をよく見かけるヴィンテージのワークショップではどうだろうか。4ライフと1マナでは、マナを残すメリットが重視される場合が多いだろうと推測する。銀のゴーレム、カーンやカルドーサの鍛冶場主に当たらないのも痛い。無色マナを要求する関係で、モックスから唱えられないのも減点ポイントだ──無色マナ自体はマナクリプトや太陽の指輪など、供給先はいくらでもあるのだけれど。モダンでは、主要な無色デッキは除去るための色を内蔵しているから、こいつの出番はないだろう。
・難題の予見者
OGWではこいつが一番のお気に入りだ。4マナ4/4というボディは打点の高さと、モダンで飛び交う稲妻、衰微、コラコマという除去全てへの耐性を兼ね備えている。ランプが苦手としてきたコンボに対する回答でもある。
脳蛆のようなカードと違って、奪った札を取り返される危険がないのが素晴らしい。こいつのハンデスはヴェンディリオンのそれに近い。相手がノーハンドの時にこいつをプレイし、それからこいつを処理されるとアドを失うが、それはレアケースだ。ウギンの目やエルドラージの寺院経由で素早くキャストすることもできる。こいつには要注意だ!
・現実を砕くもの
予見者の場合もそうだが、ウギンの目とエルドラージの寺院の存在が、このエルドラージをモダンでプレイアブルにしている──もっともこいつには荒廃を招くものという競合相手がいるが、こいつは打撃力と除去耐性を兼ね備えていて、早めに着地できれば脅威となるのは間違いない。
・エルドラージのミミック
今見たばかりの2枚のファッティ(予見者と、現実を砕くもの)のおかげで、こいつは可能性を持ったカードの仲間入りをすることになった。こんな展開を想像してほしい↓
1ターン目:ウギンの目、ミミックをあるだけ展開
2ターン目:エルドラージの寺院、難題の予見者
3ターン目:土地、現実を砕くもの
これだけで人が死ぬ。
・歪める嘆き
選択肢があるというのはいいことだが、個々の能力はそれほど優れてはいない。MUDのようなデッキが──またこのデッキの話で恐縮だが──レガシーでは唯一これをプレイする可能性があるが、変身したデルバーを始末できないのは大問題だから、結局は次元の歪曲を優先するだろう。
被覆は良いカードだが、MUDにはフィットしない。モダンでは、被覆モードで死せる生、スケシ、パルス、ときには塵への崩壊をカウンターできる。しかし、それだけで採用が正当化されるかはわからない。
・変位エルドラージ
能力にタップがいらないってのは高得点だ。だが3マナも決して安くはない。修復の天使を優先する事が多いだろう。
・圧倒的な否定
こいつはどんなフォーマットでも使われないだろう。カウンター合戦に勝てるカウンターが欲しかったとしても、より良い選択肢として対抗変転がある。そして対抗変転ですら、よく見るカードではない。
・静寂を担うもの
不幸にもこいつは、ウギンの目からもエルドラージの寺院からもサポートを得られない。現状ではプレイアブルではない。
・コジレックの帰還
このカードについては以前詳しく書いた(訳注 http://www.channelfireball.com/articles/kozileks-return-in-modern-jund/ 英語)。記事のとおり、ジャンドではメインに差すだろうが、他の多くのデッキにおいては、親和に対するサイドボードという位置になると思う。
ジャンド以外では、赤緑トロンが紅蓮地獄の代わりにメイン採用する可能性がある。古きものの活性に対応していて、ウラモグ、コジレック、エムラクールを唱えればもう一つの効果も使えるからだ。
大祖始の遺産が自分の墓地も掃除してしまうのは残念だが、ジム・デイヴィスのトロン(http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=96439)では遺産はサイドからだ。まずこのデッキの紅蓮地獄を入れ替えてみることから始めてみよう。
・自然のままに
対象が似た自然の要求と競合になるだろう。トロンや感染といった相手のライフが気にならないデッキ、もしくはスケシにとっての神聖の力線のようなどうしても割りたい対象が4マナ以上であるデッキでは自然の要求のほうが優れている。
一方、呪禁オーラのように相手の残ライフが重要なデッキの親和対策サイドボードとしては、自然のままにのほうが優秀といえる。
・ニッサの誓い
以前の記事(訳注 http://www.channelfireball.com/home/the-green-ponder/ 英語)でこのカードがスタンに与えるインパクトの強さを述べたけれど、同じことがモダンで起きる可能性は低い。アブザンカンパニーやキキジキコード、エルフといったクリーチャー重視のデッキが存在するが、そのいずれにも召喚の調べや集合した中隊といった、より優れたオプションがもう存在している。
レガシーの土地単なら使えるかもしれないが、こういうキャントリップの入るスロットはなかなかないだろうね。
・嵐追いの魔道士
モダン、レガシー両方に存在するURデルバーに採用される可能性がある。同じ2マナの選択肢としてヤンパイもあるが、最後の数点を押しこむためにこいつの回避能力がほしい場面もあるだろう。
・風切る泥沼
ジャンドやアブザンのマナ基盤安定に貢献してくれる土地だ。ミシュランとしての性能はサイクル中最低だが。
怒り狂う山峡のようにクロックを刻んでくれるか、乱脈な気孔のように絆魂で攻める時間を稼いでくれるなら良いのだが、風切る泥沼は単なる優秀なブロッカーだ。ブロックのために4マナをオープンにしておかねばならず、相手は稲妻やコラコマのようなインスタント除去を構えられないときは、ただ単に殴ってこないだけだ。もちろん、アブザンに対してや、4マナ残しつつ攻めることが難しくなくなるロングゲームにおいては優秀な働きをしてくれるが、モダンはそう頻繁にフラッドするフォーマットではない。
・さまよう噴気孔
ジェスカイやグリクシスコンは色が合うミシュランを求め続けてきたが、残念ながらこいつはコストが重い上に天界の列柱や忍び寄るタール坑より弱く、何かを変えてくれることはないだろう。
・海門の残骸
レガシーのMUDやヴィンテージのワークショップのような無色中心かつハンド消費が激しいデッキが、一枚刺しすることは考えられる。モダンでは、ハンドを使いきるようなデッキが3つ思いつく:ランタンコン、バーン、それから親和だ。元からマナベースに無色を含むランタンコンでは、自然に採用できるだろう。一方バーンでは(ダメランを除けば)無色マナの調達が困難で、親和ではマナの調達は簡単だが、ネクサスで殴るよりこちらにマナを回している余裕がなそうではある。
・鏡の池
スペル扱いできる土地はいつだって素晴らしいが、タップインという点は素晴らしくない。起動コストは安いが、能力そのものはエターナル級とは言えない。
・現実の流出
バーンは、コーの火歩きとブレンタンの炉の世話人に対する新しい回答を得た。常々、バーンのサイドに流刑への道を積むのは嫌だと思っていたから、これは朗報だ。タルモを処理できないのはマイナスだが、流刑にしてもそもそもタルモを処理するために準備した札というわけじゃない。こいつは有力なサイドの選択肢になる。
・結論
OGWによって一番強化されるアーキタイプはやはり、無色系だろう。
無色への警戒を怠るな──幽霊街と地盤の際の準備をしておくように!
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以上です。レア以下の方が注目株が多いですね、今回
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