CFBより。元記事(http://www.channelfireball.com/articles/bloom-and-twin-banned-in-modern-what-now/)もぜひご一読を。
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・次期環境の勝ち組:アンフェアデッキ編

 モダンには4ターンルールがある。しかし未だそのルールを破るデッキが環境に存在している。そしてそいつらは手付かずで残されている──その活躍はひっそりとしていて、毎週末勝ち続けているというわけでもないので、容認されているのだ。思い当たる節があるかい? これから数年のうちに以下のデッキのいずれかが規制で死んだとして、驚くには当たらないと思うね。

・感染 by Tom Ross

Lands 20
2 森
3 繁殖池
4 墨蛾の生息地
4 霧深い雨林
3 新緑の地下墓地
2 吹きさらしの荒野
2 ペンデルヘイヴン

Creatures 16
1 屍百足
2 呪文滑り
4 荒廃の工作員
4 ぎらつかせのエルフ
4 貴族の教主
1 ドライアドの東屋

Spells 24
1 怨恨
1 野生の抵抗
2 使徒の祝福
3 強大化
1 四肢切断
4 地うねり
1 古きクローサの力
1 変異原性の成長
2 よじれた映像
4 巨森の蔦
4 ギタクシア派の調査

Sideboard
2 大祖始の遺産
2 呪文滑り
1 怨恨
1 野生の抵抗
4 自然の要求
1 呪文貫き
2 よじれた映像
2 払拭

 感染は2キル可能なデッキだ。1ターン目、フェッチを切ってぎらつかせのエルフ、2ターン目、フェッチを切ってギタ調、変異原性の成長、変異原性の成長、強大化で一丁上がり。ああ、流刑への道かい? ギタ調で見たな。余りのマナで使徒の祝福でも打っとくか。

 こういうぶん回りパターンでなくとも、3ターン目にはほぼ勝てるってのが感染の強みだ。それでもこのアーキが容認されてるのは、パンプと生物の組み合わせってのが簡単に対処可能だからだ。でも対策しておかないと、あっという間に毒が全身に回っちまうよ。

・呪禁オーラ by Ari Lax

Lands 20
1 森
2 平地
4 地平線の梢
4 剃刀境の茂み
4 寺院の庭
1 新緑の地下墓地
4 吹きさらしの荒野

Creatures 13
1 ドライアドの東屋
4 林間隠れの斥候
4 コーの精霊の踊り手
4 ぬめるボーグル

Spells 27
3 流刑への道
4 夜明けの宝冠
4 天上の鎧
4 ハイエナの陰影
4 怨恨
4 蜘蛛の陰影
1 霊魂のマントル
3 ひるまぬ勇気

Sideboard
3 ガドック・ティーグ
4 神聖の力線
1 安らかなる眠り
2 原基の印章
1 石のような静寂
4 抑制の場

 このデッキは相手の迎撃体制が整う前に、展開したクリーチャーをデカく成長させる。怨恨を背負ったアタッカーがチャンプブロッカーを踏み潰しながらライフを回復していくのだ。対応できれば、勝つのは容易い。しかしこのアーキは何者にも増して相手を無視する。もっとも有効な回答であった呪文滑りは、改訂の影響で価値を落としている。一番の呪禁対策はヴェリアナだろうが、呪禁オーラはドライアドの東屋をフェッチしてきて、厄介な呪禁生物を場に残すことができる。もしこのアーキが隆盛するようなことがあれば死すべき定めが圧力弁として働くだろうが、より丸い呪文滑りのほうがやはり良いだろう。

・滋養の群れ型グリセルシュート by Bob Huang

Lands 19
2 山
4 沼
2 黒割れの崖
2 血の墓所
4 血染めのぬかるみ
4 悪意の神殿
1 新緑の地下墓地

Creatures 14
4 猿人の指導霊
4 世界棘のワーム
2 怒れる腹音鳴らし
4 グリセルブランド

Spells 27
2 捨て身の儀式
4 御霊の復讐
4 魔力変
4 滋養の群れ
1 有毒の蘇生
4 裂け目の突破
4 信仰無き物あさり
4 夜の囁き

Sideboard
4 血染めの月
1 稲妻の斧
3 否定の契約
2 コジレックの審問
2 紅蓮地獄
2 粉砕の嵐
1 すべてを護るもの、母聖樹

 このデッキは対応するのが難しい角度から2キルを仕掛けてくる。個人的に、御霊の復讐が今回規制されると思っていたがそうはならなかった。WotCが、このデッキのコンボ成功率に関してのきちんとしたデータに基づいてこの判断を降したことを祈るばかりだ。御霊の復讐は、ヴリンの神童、ジェイスと組み合わせて使う方法もあり、面白いカードではあるがいささか強すぎる感は否めない。最大値が高く、モダンのルールを破っていることでもあるし、このアーキがこれからどうなるかはよく気をつけておく必要がある。

・ストーム by Jon Finkel

Lands 16
4 沸騰する小湖
3 霧深い雨林
3 シヴの浅瀬
2 蒸気孔
3 島
1 山

Creatures 4
4 ゴブリンの電術師

Spells 40
4 ギタクシア派の調査
4 手練
4 血清の幻視
4 思考掃き
4 魔力変
4 発熱の儀式
4 捨て身の儀式
4 紅蓮術士の昇天
3 炎の中の過去
3 捨て身の狂乱
2 ぶどう弾

Sideboard
3 粉砕の嵐
3 血染めの月
3 巣穴からの総出
4 稲妻
1 防御の光網
1 残響する真実

 ああ、ストーム! 古きよき、そしてもっとも有名なコンボデッキだ。そしてこれはかなりの確率で3ターンキルするデッキでもある──紅蓮術士の昇天を置いてアンタップできたならば。また更地からでも、ゴブリンの電術師から儀式をチェインさせていってぶどう弾、のパターンで3キルできる。と言っても、これらの性質からハンデスや除去に弱い。なかでも突然の衰微は天敵と言って良い。だが警戒は必要だ。幸い、相手が最初の2ターンに赤と青のマナソースを置くだけで何もしてこなかった場合、相手が双子ではなくストームである可能性は今までより高くなった。だから、そういう場合は4ターン目ではなく3ターン目に備えよう。

・次期環境の勝ち組:フェアデッキ編


・死せる生 by Dmitry Butakov


Lands 20
2 森
2 山
2 沼
4 黒割れの崖
1 血の墓所
4 血染めのぬかるみ
3 銅線の地溝
1 草むした墓
1 踏み鳴らされる地

Creatures 26
4 意思切る者
4 死の一撃のミノタウルス
2 フェアリーの忌み者
4 大爆発の魔道士
2 ジャングルの織り手
4 巨怪なオサムシ
2 猿人の指導霊
4 通りの悪霊

Spells 14
3 内にいる獣
4 悪魔の戦慄
3 死せる生
4 暴力的な突発

Sideboard
2 斑の猪
3 窒息
1 フェアリーの忌み者
2 鋳塊かじり
3 虚空の力線
4 叫び大口

 死せる生は今までもずっとtier1の最前線にいたが、双子の禁止でかなり勢いづいている。このデッキにとって致命的な差し戻しが、数を減らすのは明白だからだ。加えて、勢力を増すであろうエルドラージやトロンのマナベースに、死せる生がメインから4取っている大爆発の魔道士がぶっ刺さる。感染や呪禁オーラにも、暴力的な突発からインスタントタイミングで放たれる死せる生が回答してくれる。アミュレットと双子が消えるだけで大きく分布が変化しなければ、死せる生はとても良い立ち位置にいられるだろう。

・赤緑トロン by Ali Antrazi

Lands 20
1 森
1 ウギンの目
2 幽霊街
4 燃え柳の木立
4 ウルザの鉱山
4 ウルザの魔力炉
4 ウルザの塔

Creatures 8
2 呪文滑り
3 絶え間ない飢餓、ウラモグ
3 ワームとぐろエンジン

Spells 32
4 古きものの活性
3 紅蓮地獄
4 森の占術
4 彩色の宝球
4 彩色の星
4 探検の地図
4 解放された者、カーン
4 忘却石
1 精霊竜、ウギン


Sideboard
2 炎渦竜巻
4 自然の要求
1 真髄の針
2 大祖始の遺産
2 引き裂く流弾
2 呪文滑り
2 スラーグ牙

 ようこそ、3ターン目カーン、4ターン目ウラモグの世界へ。これはアンフェアに聞こえるかもしれないが、トロンは圧力こそ最強だが環境最速というわけではない。どんなデッキにでも対策の余地はある。トロンは土地破壊に弱く、アンフェアデッキの超速クロックも苦手だ。何よりも、双子なきあとのトロンが環境を牽引するのは目に見えている(双子はトロンを押さえつけていた)から、多くのプレイヤーがトロン対策をサイドするだろう。
 トロンに対し血染めの月を置いただけで勝った気になるのは、よくあるサイド後の負けパターンだ。トロンは緑マナを捻出して自然の要求で月を叩き割る。そうでなくとも、6枚目の土地からワームとぐろエンジンをプレイして攻めてくる。手早く、妨害多めにプレイすれば、ビッグマナの脅威を潰せるだろう。

・次期環境の負け組


・ジャンド by Reid Duke

Lands 24
1 森
2 沼
4 黒割れの崖
1 黄昏のぬかるみ
2 樹上の村
2 怒り狂う山峡
2 草むした墓
1 踏み鳴らされる地
1 血の墓所
4 新緑の地下墓地
3 血染めのぬかるみ
1 樹木茂る山麓

Creatures 16
4 タルモゴイフ
4 闇の腹心
3 漁る軟泥
1 台所の嫌がらせ屋
2 高原の狩りの達人
1 雷口のヘルカイト
1 黄金牙、タシグル

Spells 20
4 コジレックの審問
2 思考囲い
4 稲妻
1 突然の衰微
3 終止
2 大渦の脈動
4 ヴェールのリリアナ

Sideboard
2 古の遺恨
3 大爆発の魔道士
2 台所の嫌がらせ屋
1 高原の狩りの達人
1 思考囲い
1 強迫
1 破壊的な享楽
1 粉砕の嵐
1 殺戮の契約
1 オリヴィア・ヴォルダーレン
1 渋面の溶岩使い

 ジャンドはフェアでバランスの取れたマジックをやることを目指す。ハンデスと除去でゆっくりと相手のプランをズタズタにするこのデッキは、4ターンルールなくして存在し得ない。ジャンドが隆盛を極めていたのは双子との相性がいいからだ。アミュレットには苦戦していたが、それ以上に、これから伸びるであろうデッキとは相性が悪いのだ。

 死せる生は、たった一枚でジャンドの努力を無に返す。トロンはひたすらマナベースを準備し、トップから対処不能な札を叩きつける。ストームは瞬殺こそ封じられるが墓地が肥えれば炎の中の過去ルートで勝てる。グリセルシュートは2ターン目に勝つ。感染は、衰微されない墨蛾の生息地を起動して、最後の毒カウンターを与える。呪禁オーラは──うん、呪禁オーラにならジャンドは勝てる! ポイントは、ジャンドが有利な遅いデッキが環境にあまり存在しないことだ。

 個人的に、ジャンドが次期環境最大の負け組じゃないかと思える。アンフェアデッキより遅いバーンも厳しい立場だが、このメタゲームでは大歓楽の幻霊がかつてない働きを見せてくれるだろう。ストームや感染を一枚で投了に追い込めるこのカードの存在が、バーンを選ぶ理由になる。

・モダンのこれから


 モダンの世界はいくつかのコンボデッキの衰退を見たが、跡継ぎはまだまだある。トロンがニッチなデッキから脱却し、これから双子に変わって環境を定義していくことだろう。双子はフォーマットを少しばかり停滞させていたが、同時に環境のデッキを高速化させる要因になってもいた。もう双子コンボに怯えながらプレイする必要はないのだから、突然の衰微を構えながら第三ターンを終了する外にも、プランや対応策の幅を持てるわけだ。

 禁止改訂の好ましい側面は、プレイヤーによりメタゲームを意識させてくれることだ。モダンのどのデッキにも致命的な弱点があり、この状況は劇的には変わらないだろう。ジャンドが上述したような理由で衰退すれば、呪禁オーラを押しとどめてくれることが期待できない。つまり、サイドボード選びがより困難になるということだ。積極的に情報を集め、環境トップのデッキへの対策に満ちたサイドボードをもちこむことを奨めるよ。

 今回の規制は試験的な意味を含んでいると思う。双子の規制は前代未聞のことだ。あれだけフォーマットを締め付けてるように見えながらも、双子規制論はあまり聞かれなかったからね。正直言って双子が消えるのは嬉しいけど、これがモダンに良い影響をおよぼすのかそうでないか、まだはっきりしない。多様性は増すだろうけど、双子はモダンが電波コンボの蔓延するカオスと化すのを防ぐ役割をも果たしていた。

 モダンは良くなるのか? 今ははっきりとはわからない、でも運がいいことに、答えはすぐに出る──もうまもなく開催される、PTゲートウォッチの誓いにて。

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以上です。モダンはますます混沌としてきますね……プロでモダンを嫌う人が一定数存在するのも、解る気がします。観る側としては色々なデッキが存在するほうがもちろん楽しいですが。記事によれば、なんだか御霊の復讐が(PTの結果次第で)危なそうですが、個人的にグリセルシュート好きなので規制は勘弁して欲しいですね。

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